健康保険法における保険外併用療養費：詳細ガイド

この記事では、保険外併用療養費の基本から、その適用範囲、健康保険法における位置づけ、具体的な適用例について詳しく解説します。

健康保険法と保険外併用療養費の関係を理解し、自身の健康管理に役立てるための情報を提供します。どうぞご覧ください。

保険外併用療養費の基本

保険外併用療養費とは何か

保険外併用療養費とは、健康保険が適用される医療行為と同時に行われる自由診療（保険適用外の医療行為）にかかる費用のことを指します。これは、患者が自由に選択できる医療サービスで、通常の健康保険の範囲を超えた診療や治療を受ける際に発生します。

例えば、最新の医療技術や特別な薬物療法、高度な医療機器を使用した診療などが該当します。

保険外併用療養費の適用範囲

評価療養

• 特別な薬物療法：一部の新薬や高価な薬物は、健康保険の適用範囲外となることがあります。
• 最新の医療技術：新しい医療技術や治療法は、しばしば健康保険の適用範囲外となります。
• 高度な医療機器：特定の高度な医療機器や設備を使用する診療は、健康保険の適用範囲外となることがあります。

これらの例は一部であり、具体的な適用範囲は医療機関や治療内容により異なります。また、保険外併用療養費の適用には、医師の説明と患者の同意が必要となる点も重要です。

患者申出療養

患者申出療養とは

「患者申出療養」は、健康保険法に規定される制度で、高度な医療技術を用いた療養を受けたいという患者からの申出に基づき、その療養が保険の給付対象とすべきか否かを評価するものです。

具体的には、未承認薬などの先進的な医療を「保険外併用療養」として使用したいという患者からの申出を受け、安全性・有効性等を確認した上で、できる限り身近な医療機関で受けられるようにするための制度です。

患者の同意が必要

この制度は、患者がその医療技術、制度についてしっかりと理解し、納得した上で、自らの意思で申出を行うものです。また、この制度を利用することで、患者が受けた療養に要した費用について保険外併用療養費が支給されます。

ただし、この制度を利用するためには、患者さんと主治医の間で十分な相談が必要です。

選定療養

選定療養とは

「選定療養」は、健康保険法に規定される制度で、特別な療養環境や特定の医療行為など、患者さん自身が選択する医療サービスにかかる費用のことを指します。

選定療養の具体例

1. 特別の療養環境（差額ベッド代）：一般病室よりも快適な設備やサービスを提供する個室や特別室の利用料金。
2. 歯科の金合金等：金属製の歯科用材料（金合金等）を使用した治療。
3. 金属床総義歯：金属製の床を持つ総義歯。
4. 予約診療：予約を取って診察を受けること。
5. 時間外診療：通常の診療時間外に診察を受けること。

これらの選定療養は、患者が自由に選択でき、その費用は保険外併用療養費として患者自身が負担することになります。ただし、これらの選定療養を利用する際には、医師からの十分な説明と患者さんの同意が必要となる点も重要です。

支給額

健康保険法における保険外併用療養費の支給額の計算方法は、以下のようになります。

被保険者が評価療養または選定療養を受けた場合、その療養に要した費用について、保険外併用療養費が支給されます。具体的な計算方法は次の通りです。

1. 総医療費から保険外診療に係る費用を引く：例えば、総医療費が100万円で、そのうち先進医療に係る費用が20万円だった場合、先進医療に係る費用20万円は全額を患者が負担します。
2. 通常の治療と共通する部分は保険として給付される：通常の治療と共通する部分（診察、検査、投薬、入院料等）は、保険として給付される部分になります。この場合、保険給付分は80万円（10割）となります。
3. 保険給付分から患者の一部負担金を引く：7割にあたる56万円が各健康保険制度から給付され、3割にあたる24万円が患者の一部負担金となります。

以上の計算により、保険外併用療養費の支給額が決定されます。ただし、具体的な支給額は各健康保険制度や治療内容により異なるため、詳細は各医療機関に直接ご確認ください。

終わりに

健康保険法と保険外併用療養費の関係を理解し、自身の健康管理に役立てるための情報を提供することが目的でした。具体的な費用や適用条件については、各医療機関に直接ご確認いただくことをお勧めします。

また、医療に関する重要な決定をする際には、必ず専門的な医療アドバイスを受けることをお勧めします。

この記事が皆様の健康管理に少しでもお役に立てれば幸いです。