社労士試験の時期
社労士試験はいつ実施されますか?
社労士試験は年に1回、毎年8月第4日曜日に実施されます。令和5年度(2023年度)は8月27日(日)に実施されました。
合格発表は例年10月に行われ、社労士試験を受けた受験生はこの間ドキドキしながらその時を待ちます。(私もそのひとり。)
今後のスケジュールは以下のとおりです。
- 令和5年10月4日(水)厚生労働省ホームページおよび社会労務士試験オフィシャルサイトに合格者受験番号を掲載
- 令和5年10月16日(月) 合格証書を簡易書留郵便で発送
- 令和5年10月下旬 官報に合格者受験番号を公告
一方で自己採点の結果、合格に届かないと分かった受験生は、早ければ9月時点で来年の社労士試験の勉強を始めます。スタートダッシュ講座と称した各スクールの講座もスタートし始めます。
しかし、慌てることはありません。前回の記事で、勉強時間がたくさんあればいい訳でないことを紹介しています。
よろしければ、併せてご覧ください。
きちんとスケジュールを組んで、計画的に学習に取り組みましょう。
社労士試験の出題範囲
社労士試験の出題範囲は社会保険労務士法第9条に規定されています。
社会保険労務士法 第9条
社会保険労務士試験は、社会保険労務士となるのに必要な知識及び能力を有するかどうかを判定することを目的とし、次に掲げる科目について行う。
一 労働基準法及び労働安全衛生法
二 労働者災害補償保険法
三 雇用保険法
三の二 労働保険の保険料の徴収等に関する法律
四 健康保険法
五 厚生年金保険法
六 国民年金法
七 労務管理その他の労働及び社会保険に関する一般常識
一~六 一般的な法知識に関する問題
上記のうち、一~六については、その法律に関する事項から出題されますが、いわゆる条文だけでなく、通達(国から法令の解釈等について示した文書)や裁判所判例などからも出題があり、かなり細かい内容まで問われるかなり厳しい試験です。
過去問 平成28年度 労働者災害補償保険法 択一式
休業特別支給金の額は、一日につき算定基礎日額の100分の20に相当する額とされる。
答え「×」
休業特別支給金の額は、一日につき休業給付基礎日額の100分の20に相当する額とされる。
労働者災害補償保険法の中でも、私が特に苦手としていた社会復帰促進等事業の特別支給に関する問題です。
基本中の基本かもしれませんが、ほかにも似たような単語が並んでとにかく苦労しました。
過去問 令和2年度 健康保険法 択一式
被保険者が闘争、泥酔又は著しい不行跡によって給付事由を生じさせたときは、当該給付事由に係る保険給付は、その全部又は一部を行わないことができるが、被保険者が数日前に闘争しその当時はなんらかの事故は生じなかったが、相手が恨みを晴らす目的で、数日後に不意に危害を加えられたような場合は、数日前の闘争に起因した闘争とみなして、当該給付事由に係る保険給付はその全部又は一部を行わないことができる。
答え「×」
給付制限の対象となるのは、闘争又は泥酔によりその際生じさせた事故であるので、設問の場合は、給付制限の対象とならない。
健康保険法 第117条
被保険者が闘争、泥酔又は著しい不行跡によって給付事由を生じさせたときは、当該給付事由に係る保険給付は、その全部又は一部を行わないことができる。
これは、健康保険法第117条を知っているだけではダメで、昭和2年4月27日(保理第1956号)という通達に回答の根拠があります。
昭和2年4月27日(保理第1956号)
「被保険者闘争若ハ泥酔ニ因リ」トアルハ主トシテ闘争又ハ泥酔ノ当時ニ生シタル事故ヲ指ス意義ナルヤ実ハ当組合被保険者ニシテ数日前闘争シタルコトアルモ幸其ノ当時ニ於テハ何等ノ事故ヲ生セスシテ事終レリ然ルニ一方カ此ノ恚念ヲ晴サン目的ヲ以テ数日ヲ経過シタル後ニ於テ不意ニ危害ヲ加ヘラレタルモノアリ斯ノ如キ闘争ニ基因シタルモノヲ闘争卜看做シ同法ヲ適用スヘキモノナリヤ疑義ノ点相生候条何分ノ御指示仰度実例ヲ具シ此段及伺候也
このように、条文だけ覚えれば良いという訳ではなく、通達などの具体的な運用から出題されることもあります。
七 労務管理その他の労働及び社会保険に関する一般常識
いわゆる「労一」と「社一」と呼ばれる試験範囲です。人によってはこの対策を一番苦労するかもしれません。
大まかに言うと、その他労務関係法とその他社会保険関係法、統計、白書から満遍なく出題されます。
労一
労一科目で取り扱う法律は以下のとおりです。
- 労働組合法
- 労働関係調整法
- 労働契約法
- 労働時間等設定改善法
- 個別労働関係紛争解決促進法
- パートタイム・有期雇用労働法
- 最低賃金法
- 賃金支払確保法
- 中小企業退職金共済法
- 男女雇用機会均等法
- 育児・介護休業法
- 次世代育成支援対策法
- 女性活躍推進法
- 労働施策総合推進法
- 職業安定法
- 労働者派遣法
- 若者雇用促進法
- 高年齢者雇用安定法
- 障害者雇用促進法
- 職業能力開発促進法
- 求職者支援法
社一
社一で取り扱う法律は以下のとおりです。
- 社会保険労務士法
- 国民健康保険法
- 高齢者医療確保法
- 介護保険法
- 船員保険法
- 児童手当法
- 確定拠出年金法
- 確定給付企業年金法
- 支援法
- 社会保険審査法
統計・白書
労一・社一共通で出される項目です。
令和2年度 労一 選択式
1 我が国の労働の実態を知る上で、政府が発表している統計が有用である。年齢階級別の離職率を知るには【 A 】 、年次有給休暇の取得率を知るには 【 B 】 、男性の育児休業取得率を知るには【 C 】 が使われている。
2 労働時間の実態を知るには、【 D 】 や【 E 】 、毎月勤労統計調査がある。
【 D 】 と【 E 】 は世帯及びその世帯員を対象として実施される調査であり、毎月勤労統計調査は事業所を対象として実施される調査である。
【 D 】 は毎月実施されており、就業状態については、15 歳以上人口について、毎月の末日に終わる 1 週間(ただし、12 月は 20 日から 26 日までの 1 週間)の状態を調査している。 【 E 】 は、国民の就業の状態を調べるために、昭和 57 年以降は 5 年ごとに実施されており、有業者については、 1 週間当たりの就業時間が調査項目に含まれている。
選択式問題は文章の空欄にあてはまる語句を選択肢の中から選ぶ問題です。
令和2年度の朗一選択式の設問すべてが調査名という、今も語り草ともいうべき問題。もし、試験当日こんな問題を目の当りにしたら頭が真っ白になりそうです。
【A】雇用動向調査
【B】就労条件総合調査
【C】雇用均等基本調査
【D】労働力
【E】就業構造基本調査
労一、社一はとにかく出題範囲が広く、後回しにすると手が回らなくなる可能性がありますので、毎日コツコツ取り組むことをおススメします。
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今回の試験勉強でも大いに役立ちました。スキマ時間にポチポチするだけでも十分試験に立ち向かえます。
終わりに
いかがだったでしょうか?社労士試験がなぜ最難関と言われるのか、まずはその試験範囲を解説させていただきました。
次回は、さらに社労士試験の概要に深く触れていきたいと思います。
今後、このブログでは、社労士試験合格を目指す方に役立つ情報などを発信します。
一緒に社労士試験の合格を目指して頑張りましょう!
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