とにかく種類が多い届出
厚生年金保険法に規定されている届出は種類が多く、試験などでは提出先や期限などかなり細かい規定まで問われます。
今回は過去問を振り返りながら、各種届出について詳しくまとめます。
過去問にチャレンジ
平成19年度
事業主は、被保険者の資格を取得した者があるときは、速やかに、厚生年金保険被保険者資格取得届・70歳以上被用者該当届又は当該届書に記載すべき事項を記録した光ディスクを日本年金機構に提出しなければならない。
答え「×」
「速やかに」ではなく「5日以内」です。なお、船舶は「10日以内」となります。
このことは、資格喪失届においても同様ですので、覚えておきましょう
法第二十七条の規定による当然被保険者(船員被保険者を除く。)の資格の取得の届出は、当該事実があつた日から五日以内に、厚生年金保険被保険者資格取得届・七十歳以上被用者該当届(様式第七号又は様式第七号の二(被保険者が同時に協会が管掌する健康保険の被保険者の資格を取得しないときは様式第七号に限る。))又は当該届書に記載すべき事項を記録した光ディスク(これに準ずる方法により一定の事項を確実に記録しておくことができる物を含む。以下同じ。)を機構に提出することによつて行うものとする。この場合において、被保険者が同時に協会の管掌する健康保険の被保険者の資格を取得したことにより、健康保険法施行規則第二十四条の規定によつて届書又は光ディスクを提出するときは、これに併記又は記録して行うものとする。
2 前項の規定により機構に提出する届書(様式第七号の二によるものに限る。)は、所轄労働基準監督署長又は所轄公共職業安定所長を経由して提出することができる。
3 法第二十七条の規定による船員被保険者の資格の取得の届出は、当該事実があつた日から十日以内に、次に掲げる事項を記載した届書を機構に提出することによつて行うものとする。この場合において、被保険者が同時に船員保険の被保険者の資格を取得したことにより、船員保険法施行規則第六条の規定によつて届書を提出するときは、これに併記して行うものとする。
厚生年金保険法施行規則 第十五条(被保険者の資格取得の届出)
平成27年度
被保険者(適用事業所に使用される高齢任意加入被保険者及び第4種被保険者等を除き、厚生労働大臣が住民基本台帳法第30条の9の規定により機構保存本人確認情報の提供を受けることができない者に限る。)は、その住所を変更したときは、速やかに、変更後の住所及び変更の年月日を事業主に申し出なければならない。
答え「〇」
一般被保険者の氏名、住所の変更は速やかに事業主に申し出をします。申し出を受けた事業主は速やかに届出を機構に提出します。
高年齢任意加入被保険者または第4種被保険者は、いずれも10日以内に直接機構へ提出します。
以上のことは、厚生労働大臣が住民基本台帳法の規定による機構保存本人確認情報の提供を受けることができないときに限ります。(できるときは省略可。)
令和元年度
住所に変更があった事業主は、5日以内に日本年金機構に所定の事項を記載した届書を提出しなければならないが、それが船舶所有者の場合は10日以内に提出しなければならないとされている。
答え「×」
船舶所有者の場合は「速やかに」提出しなければならないとされています。
事業主「5日以内」、船舶所有者「10日以内」のパターンが多い中で、設問は異なる場合です。
事業主(船舶所有者を除く。以下この条及び次条において同じ。)は、その氏名若しくは名称若しくは住所、事業所の名称若しくは所在地、第十三条第一項第三号に掲げる事項又は同項第四号に掲げる事項に変更があつたときは、五日以内に、次の各号に掲げる事項を記載した届書を、機構に提出しなければならない。
一 事業所の名称及び所在地
二 変更前の事項及び変更後の事項並びに変更の年月日
2 前項の届書には、登記事項証明書その他の前項第二号に掲げる事項を証する書類(機構が必要と認めるものに限る。)を添えなければならない。
3 事業主が、機構に健康保険法施行規則第三十条第一項の規定による届出をしたときは、併せて、第一項の届出をしたものとみなす。
4 船舶所有者は、その氏名、住所、第十三条第四項第五号に掲げる事項又は同項第六号に掲げる事項に変更があつたときは、速やかに、次の各号に掲げる事項を記載した届書を機構に提出しなければならない。
一 船舶所有者の住所
二 変更前の事項及び変更後の事項並びに変更年月日
厚生年金保険法施行規則 第二十三条(事業主の氏名等の変更の届出)
平成27年度
適用事業所の事業主(船舶所有者を除く。)は、厚生年金保険法の規定に基づいて事業主がしなければならない事項につき、代理人をして処理させようとするときは、あらかじめ、文書でその旨を日本年金機構に届け出なければならない。
答え「〇」
事業主(船舶所有者を除く。)は、法の規定に基いて事業主(船舶所有者を除く。)がしなければならない事項につき、代理人をして処理させようとするときは、あらかじめ、文書でその旨を機構に届け出なければならない。これを解任したときも、同様とする。
厚生年金保険法施行規則 第二十九条(代理人選任の届出)
なお、船舶所有者については規定はありませんが、船長又は船長の職務を行う者を代理人にすることができる規定があります。
第十五条、第十九条から第二十一条の二まで及び第二十二条の規定による届出については、船舶所有者は船長又は船長の職務を行う者を代理人として処理させることができる。
厚生年金保険法施行規則 第二十九条の二(船長等の代理)
令和元年度
初めて適用事業所(第1号厚生年金被保険者に係るものに限る。)となった事業所の事業主は、当該事実があった日から5日以内に日本年金機構に所定の事項を記載した届書を提出しなければならないが、それが船舶所有者の場合は10日以内に提出しなければならないとされている。
答え「〇」
法第六条第一項の規定により初めて適用事業所(第一号厚生年金被保険者に係るものに限る。以下同じ。)となつた事業所の事業主(船舶所有者を除く。以下この項において同じ。)は、当該事実があつた日から五日以内に、次に掲げる事項を記載した届書を機構に提出しなければならない。
一 事業主の氏名又は名称及び住所
二 事業所の名称、所在地及び事業の種類
三 事業主が法人であるときは、次に掲げる事項
イ 法人番号(番号利用法第二条第十五項に規定する法人番号をいう。以下同じ。)又は会社法人等番号(商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第七条に規定する会社法人等番号をいう。以下同じ。)
ロ 事業所が法人の本店又は主たる事業所であるか否かの別
ハ 内国法人(国内に本店又は主たる事業所を有する法人をいう。以下このハにおいて同じ。)又は外国法人(内国法人以外の法人をいう。以下同じ。)の別
四 事業主が国又は地方公共団体であるときは、法人番号
2 前項の届書には、登記事項証明書その他の当該届書に記載した事項を証する書類(機構が必要と認めるものに限る。)を添えなければならない。
3 第一項の届出は、機構に健康保険法施行規則第十九条第一項の規定によつて届書を提出するときは、これに併記して行うものとする。この場合において、同条第二項の規定に基づき、当該届書を提出する事業所(協会が管掌する健康保険の適用事業所に限る。次条第三項において同じ。)の事業主が、当該届書に併せて、労働保険の保険料の徴収等に関する法律(昭和四十四年法律第八十四号)第四条の二第一項の規定による届書(同法第七条第二号に規定する有期事業、同法第三十三条第三項に規定する労働保険事務組合に同条第一項に規定する労働保険事務の処理が委託されている事業及び同法第三十九条第一項に規定する事業に係るものを除く。)又は雇用保険法施行規則(昭和五十年労働省令第三号)第百四十一条第一項の規定による事業所の設置に係る届書を提出するときは、事業所の所在地を管轄する労働基準監督署長(以下「所轄労働基準監督署長」という。)又は事業所の所在地を管轄する公共職業安定所長(以下「所轄公共職業安定所長」という。)を経由して提出することができる。
4 法第六条第一項の規定により初めて適用事業所となつた船舶の船舶所有者は、当該事実があつた日から十日以内に、次の各号に掲げる事項を記載した届書を機構に提出しなければならない。
一 船舶所有者の氏名及び住所
二 事業の種類
三 船舶の数及び用途
四 操業区域又は航行区域
五 船舶所有者が法人であるときは、次に掲げる事項
イ 法人番号又は会社法人等番号
ロ 当該船舶所有者が法人の本店又は主たる事業所であるか否かの別
ハ 内国法人又は外国法人の別
六 船舶所有者が国又は地方公共団体であるときは、法人番号
5 前項の届書には、登記事項証明書その他の当該届書に記載した事項を証する書類(機構が必要と認めるものに限る。)を添えなければならない。
6 第三項の届出は、機構に船員保険法施行規則第四条第一項の規定によつて届書を提出するときは、これに併記して行うものとする。
厚生年金保険法施行規則 第十三条(新規適用事業所の届出)
終わりに
いかがでしたでしょうか。
届出にまつわる問題は見分けるのがとても大変ですね。
一度では覚えきれないので、少しずつ着手していきましょう。
今後も、このブログでは、社労士試験合格を目指す方に役立つ情報などを発信します。
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