社労士試験は独学で合格できる?必要な勉強を紹介

社労士試験は国家試験の中でも最難関

ぽんこつ
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社労士試験ってそんなに難しいの?

社労士試験は数ある国家試験の中でも最難関と言われています。その合格率は5~6%、毎年約4万人が受験し、合格者は2,000人程度と非常に狭き門となっています。

資格合格のためには予備校が必要?

社労士試験に合格する多くの方が資格予備校や通信講座を受講しています。

実際私も無料配信講座をYouTubeなどで拝見しましたが、試験を解くための知識、テクニックなどが紹介されていて受講している方を羨ましく思ったものです。

独学でも合格できる

一方で、資格予備校や通信講座を受けず、独学で合格を勝ち取る受験生も一定数います。

独学で合格する人とそうでない人の差はどこにあるのでしょうか。

それは社労士試験の形式にポイントがありそうです。社労士試験がなぜ難しいのか。それが分かれば独学での試験合格も決して夢ではありません。

独学では厳しいと言われる社労士試験ですが、勉強の仕方によっては決して不可能ではありません。これからこのブログで、社労士独学合格のためのスキルや考え方を身につけましょう!

社労士試験合格のための勉強

勉強時間はどれくらい?

ぽんこつ
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社労士試験に合格するためには、どれくらい勉強すればいいの?

これから勉強を始めようとする方は気になるところかもしれません。よく社労士合格の目安は1,000時間と言われているようです。仮に1日3時間を1年間続けたとして、1日3時間×365日=1,095時間です。

果たしてそれほどの勉強時間が必要なのでしょうか?

結論から言うと、半分本当、半分嘘です。(嘘とは言いすぎか。)
何が言いたいかというと、勉強時間がすべてではないということです。

実際私は、約半年間の勉強で社労士試験の合格ボーダーラインまで点数を取ることができました。
かと言って1日5時間も6時間勉強していたわけでもありません。

後述しますが、社労士試験の範囲は膨大で、覚えることがたくさんあります。当然のことながら、試験で点数を取るためには、最低限の知識が必要です。

例えば、次の過去問に挑戦してみましょう。

過去問 平成30年度 健康保険法 択一式

健康保険制度は、高齢化の進展、疾病構造の変化、社会経済情勢の変化等に対応し、その他の医療保険制度及び後期高齢者医療制度並びにこれらに密接に関連する制度と併せて5年ごとに検討が加えられることになっている。 

択一式問題は5つの選択肢の中から正しいもの(または誤っているもの)を選ぶ問題です。したがって設問のような選択肢が5つ並んでいて、その中から正解を選びます。

さて、結論から言うとこの設問は、「誤り」です。どこが誤りかというと後段「5年ごとに検討が…」の部分です。正しくは「常に検討が…」となります。

これはいわゆる「知らないと分からない」問題です。社労士試験では、こういった問題も数多いので、たくさん知っているに越したことはありません。

そういう意味では、ある程度の勉強時間を確保することは必要です。

健康保険法 第二条(基本理念)

健康保険制度については、これが医療保険制度の基本をなすものであることにかんがみ、高齢化の進展、疾病構造の変化、社会経済情勢の変化等に対応し、その他の医療保険制度及び後期高齢者医療制度並びにこれらに密接に関連する制度と併せてその在り方に関して常に検討が加えられ、その結果に基づき、医療保険の運営の効率化、給付の内容及び費用の負担の適正化並びに国民が受ける医療の質の向上を総合的に図りつつ、実施されなければならない。

時間も大事だけど質を大事に

「量より質」とよく言います。上でお話しした通り、社労士試験は勉強時間(量)を確保することが大切です。しかし、同時に勉強の質を上げればそれほど多く時間を割く必要はありません。

ぽんこつ
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社労士試験の勉強における質とはどういうものですか?

勉強の質を高めるには2パターンあります。

  1. 関連付けて覚える
  2. 暗記の質を高める

関連付けて覚える(横断学習)

少し社労士試験の勉強をした方ならお分かりかと思いますが、よく「社労士試験では横断学習が大事」と言われます。横断学習とは、科目をまたいで横断的に学習することで、代表的なものは国民年金法厚生年金保険法です。

この二つの法(制度)は、同じ年金制度で、あらゆる面で関連し合っています。それぞれ個別に覚えるより、それぞれの同じ点、異なる点などを一緒に覚えた方が効率が良いです。

また、実際の試験でも、国民年金と厚生年金の内容を掛け合わせた選択肢が良く出されます。
実際の過去問で見てみましょう。

過去問 平成24年度 厚生年金保険法 択一式

老齢厚生年金と障害基礎年金の併給について、受給権者に子がある場合であって、障害基礎年金の子に対する加算額が加算されるとき(当該子について加算する額に相当する部分の全額につき支給を停止されているときを除く。)は、老齢厚生年金の当該子に対する加給年金額に相当する部分を支給停止する。

この設問は「正しい」です。

まず、前提として障害基礎年金の受給権者が、65歳以上で老齢厚生年金を併給できるという横断的知識を前提に、それぞれに該当となる子がいる場合に加給年金が支給されること、さらに、重複した場合はどちらの加給年金が優先されるのかなど、国民年金、厚生年金それぞれの知識が問われています。

このほかにも、社労士試験ではそれぞれ法・制度間でさまざまな調整が多く行われますので、その都度関連付けて覚えていくと効率よく覚えられます。

厚生年金保険法 第四十四条(加給年金額)

1 老齢厚生年金(その年金額の計算の基礎となる被保険者期間の月数が240以上であるものに限る。)の額は、受給権者がその権利を取得した当時(その権利を取得した当時、当該老齢厚生年金の額の計算の基礎となる被保険者期間の月数が240未満であつたときは、第43条第2項又は第3項の規定により当該月数が240以上となるに至つた当時。第3項において同じ。)その者によつて生計を維持していたその者の65歳未満の配偶者又は子(18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある子及び20歳未満で第47条第2項に規定する障害等級(以下この条において単に「障害等級」という。)の1級若しくは2級に該当する障害の状態にある子に限る。)があるときは、第43条の規定にかかわらず、同条に定める額に加給年金額を加算した額とする。ただし、国民年金法第33条の2第1項の規定により加算が行われている子があるとき(当該子について加算する額に相当する部分の全額につき支給を停止されているときを除く。)は、その間、当該子について加算する額に相当する部分の支給を停止する。

暗記の質を高める

ぽんこつ
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暗記の質ってどういうものですか?

社労士試験に出てくる問題は、いま現在運用されている制度です。つまり、そういう仕組みになっているということは、ほとんどの場合にそうなっている理由があります。

むやみに覚えるのではなく、そうなっている理由をきちんと覚えると記憶に深く刻み込まれ、覚えるのに苦労しなくなります。

労働基準法を例に

例えば、労働基準法はじめ、労働関係の法律において、「同居の親族のみを使用する事業」、「家事使用人」は適用除外(労働基準法の規定を受けない)となっています。

このことは労働基準法116条第2項に規定されています。

労働基準法 第百十六条(適用除外)
二 この法律は、同居の親族のみを使用する事業及び家事使用人については、適用しない。

なぜこのような規定がされているのか。それは次の二つの理由が挙げられています。

  • 家庭内のことに公権力は介入できない。
  • 家事労働はいわゆる工場などでの労働とは大きく異なる。
    労働基準法の施行当時(1947年)は工場での労働がメインであった。

これらの理由が理解できれば、この条文の内容は深く理解できるのではないでしょうか。

加えてチェックしておきたい

「家事使用人」の取り扱いについて、2022年10月、長時間労働の末に亡くなった家事使用人兼介護ヘルパーとして働いていた方に対し、労災認定しない国の決定を容認する判決が出ました。

理由は、「家事使用人」としての労働が、労働基準法の適用除外のため、「家事使用人」として勤務した分の時間が労働時間とみなされなかったのです。

このことについて、厚生労働省は調査をするとしていますので、もしかしたら、近く運用に変化があるかもしれませんね。要注目です。

このように、現在の運用にはきちんと訳があり、時代にそぐわない法や現状に合っていない制度はこの通り修正、変更されていくものなのです。

量と質の両立

話が少しそれましたが、このように「なぜ、そうなっているのか?」、「それによって何が起こっているのか?」を理解できると、記憶に残りやすくなり、暗記の質が格段に上がります。

もちろんすべての事項に当てはめることはできないかもしれませんが、こうやって一つずつ覚えていけば、社労士試験でも十分立ち向かえるほどの知識を得ているはずです。

終わりに

国家試験最難関の社労士試験ですが、独学でも十分合格が狙えます。

今後、このブログでは、社労士試験合格を目指す方に役立つ情報などを発信します。

どうぞ、ご期待ください。

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