【必修テーマ】厚生年金保険法 被保険者まとめ

厚生年金保険の被保険者

今回は厚生年金保険の被保険者について掘り下げます。

被保険者に関する問題は、該当となる場合と該当しない場合の両方が問われます。

また、健康保険の被保険者と重なる部分も多いので、対比しながら覚えていきましょう。

当然被保険者

適用事業所に使用される70歳未満の者は、法律上当然に厚生年金保険の被保険者となります。

適用事業所については以下の記事で詳しく紹介しています。

70歳以上の被用者

厚生年金保険の被保険者は70歳に達するとその資格を喪失しますが、一定の要件を満たす場合は、被保険者となることができます。

任意加入被保険者

任意単独被保険者

適用事業所以外の事業所に使用される70歳未満の者の場合は、厚生労働大臣の認可を受ければ、厚生年金保険の被保険者になることができます。

この場合、その事業所の同意を得る必要があります。

高齢任意加入被保険者

70歳になって被保険者の資格を喪失した時点で、老齢年金を受けられる加入期間がなく、引き続き事業所に使用される場合は、老齢の年金を受けられる加入期間を満たすまで任意に厚生年金保険に加入することができます。

条文を確認

第九条

適用事業所に使用される七十歳未満の者は、厚生年金保険の被保険者とする。

第十条

適用事業所以外の事業所に使用される七十歳未満の者は、厚生労働大臣の認可を受けて、厚生年金保険の被保険者となることができる。

 前項の認可を受けるには、その事業所の事業主の同意を得なければならない。

第十一条

前条の規定による被保険者は、厚生労働大臣の認可を受けて、被保険者の資格を喪失することができる。

過去問にチャレンジ

令和2年度

株式会社の代表取締役は、70歳未満であっても被保険者となることはないが、代表取締役以外の取締役は被保険者となることがある。

答え「×」

代表取締役、取締役が被保険者となるか否かについてはよく試験問題の論点となります。

健康保険法でも同様の取り扱いとなります。

人の理事、監事、取締役、代表社員及び無限責任社員等法人の代表者又は業務執行者であつて、他面その法人の業務の一部を担任している者は、その限度において使用関係にある者として、健康保険及び厚生年金保険の被保険者として取扱つて来たのであるが、今後これら法人の代表者又は業務執行者であつても、法人から、労務の対償として報酬を受けている者は、法人に使用される者として被保険者の資格を取得させるよう致されたい。

なお、法人に非ざる社団又は組合の総裁、会長及び組合及び組合長等その団体の理事者の地位にある者、又は地方公共団体の業務執行者についても同様な取扱と致されたい。

昭和24年7月28日保発74号

なお、個人事業主は被保険者となりませんが、法人化した場合は加入が義務付けられます。

令和2年度

適用事業所以外の事業所に使用される70歳未満の者であって、任意単独被保険者になることを希望する者は、当該事業所の事業主の同意を得たうえで資格取得に係る認可の申請をしなければならないが、事業主の同意を得られなかった場合でも保険料をその者が全額自己負担するのであれば、申請することができる。

答え「×」

後段のような取り扱いはありません。

保険料は原則、事業主が被保険者と折半をします。

平成24年度

適用事業所に使用される70歳以上の高齢任意加入被保険者は、保険料の全額を負担し、自己の負担する保険料を納付する義務を負うものとする。ただし、その者の事業主(第2号厚生年金被保険者又は第3号厚生年金被保険者に係る事業主を除く。)が当該保険料の半額を負担し、かつその被保険者及び自己の負担する保険料を納付する義務を負うことにつき同意したときはこの限りではない。

答え「〇」

適用事業所の場合

厚生年金保険料の保険料負担について、事業主の同意が得られる場合は、一般保険料と同様に事業主と本人との折半となり、納付義務者は事業主となります。
事業主が高齢任意加入被保険者にかかる保険料を滞納した場合は、一般保険料と同様に滞納処分の対象となります。
事業主の同意が得られない場合は、全額本人が負担することとなり、納付義務者は本人となります。その場合、本人が督促指定期限までに保険料を納付しないと資格喪失となります。

適用事業所以外の事業所の場合

厚生年金保険料の保険料負担は、適用事業所の被保険者と同様に事業主と本人との折半となり、納付義務者は事業主となります。
事業主が高齢任意加入被保険者にかかる保険料を滞納した場合は、一般保険料と同様に滞納処分の対象となります。

令和4年度

高齢任意加入被保険者に係る保険料の半額を負担し、かつ、当該被保険者及び自己の負担する保険料を納付する義務を負うことにつき同意をした適用事業所の事業主は、厚生労働大臣の認可を得て、将来に向かって当該同意を撤回することができる。

答え「×」

保険料の半額負担、納付義務について同意した事業主は、高齢任意加入被保険者の同意を得て、将来に向かって同意を撤回することができます。

事業主は、第1項の規定による被保険者の同意を得て、将来に向かつて前項ただし書に規定する同意を撤回することができる。

厚生年金保険法 附則第四条の三第8項

終わりに

いかがでしたでしょうか。

厚生年金保険法の被保険者に関する制度は、健康保険法に通じる部分も多いですが、幅が広く理解するまで時間がかかります。

テキストなどを活用して少しずつ理解を深めていきましょう

今後も、このブログでは、社労士試験合格を目指す方に役立つ情報などを発信します。

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