全国健康保険協会とは
今日のテーマは健康保険法から全国健康保険協会です。
全国健康保険協会は、被用者保険者のひとつで、健康保険法等に基づき2008年(平成20年)10月1日に設立された、厚生労働省所管の特別の法律により設立される法人(公法人)です。
制度など健康保険組合との違いなどに注意しながら学習していく必要があります。
略称は「協会けんぽ」
ぽんこつは恥ずかしながら、「全国健康保険協会」=「協会けんぽ」ということに全然気づかずに学習をしていていました。
だってさ~、全国健康保険協会だよ?
だから「けんぽ協会」ならまだ分かるの。「協会けんぽ」て。。。
と見苦しい言い訳をしてみる。
条文紹介と過去問にチャレンジ
全国健康保険協会に関する条文は多く、ボリューミーです。
過去問を紹介しながら根拠条文を掲載していきます。
全国健康保険協会に関する問題は基本的に条文ベースのものが多いです。
令和5年度の択一問題でも出題されましたね。
平成22年度
全国健康保険協会が管掌する健康保険の事業に関する業務のうち、被保険者の資格の取得及び喪失の確認、標準報酬月額及び標準賞与額の決定並びに保険料の徴収(任意継続被保険者に係るものを除く。)並びにこれらに附帯する業務は、厚生労働大臣が行う。
答え「〇」
全国健康保険協会の前身は社会保険庁が実施していた政府管掌健康保険(政管健保)です。
さて、設問の3業務については、厚生労働大臣が行うこととなっています。
厚生労働大臣は厚生年金保険の保険者でもあるため、同時に行うことが効率的であるため、このような取り扱いとなっています。
健康保険法 第五条(全国健康保険協会管掌健康保険)
全国健康保険協会は、健康保険組合の組合員でない被保険者(日雇特例被保険者を除く。次節、第五十一条の二、第六十三条第三項第二号、第百五十条第一項、第百七十二条第三号、第十章及び第十一章を除き、以下本則において同じ。)の保険を管掌する。
2 前項の規定により全国健康保険協会が管掌する健康保険の事業に関する業務のうち、被保険者の資格の取得及び喪失の確認、標準報酬月額及び標準賞与額の決定並びに保険料の徴収(任意継続被保険者に係るものを除く。)並びにこれらに附帯する業務は、厚生労働大臣が行う。
健康保険法 第五条(全国健康保険協会管掌健康保険)
平成21年度
全国健康保険協会の理事長、理事及び監事は、厚生労働大臣が任命し、当該協会の職員は理事長が任命する。
答え「×」
健康保険法第七条の十一のとおりです。ただし、厚生労働大臣はいずれの任命にも関わってきますので、条文で確認しましょう。
健康保険法 第七条の十一(役員の任命)
理事長及び監事は、厚生労働大臣が任命する。
2 厚生労働大臣は、前項の規定により理事長を任命しようとするときは、あらかじめ、第七条の十八第一項に規定する運営委員会の意見を聴かなければならない。
健康保険法 第七条の十八(運営委員会)
事業主(被保険者を使用する適用事業所の事業主をいう。以下この節において同じ。)及び被保険者の意見を反映させ、協会の業務の適正な運営を図るため、協会に運営委員会を置く。
2 運営委員会の委員は、九人以内とし、事業主、被保険者及び協会の業務の適正な運営に必要な学識経験を有する者のうちから、厚生労働大臣が各同数を任命する。
3 前項の委員の任期は、二年とする。
4 第七条の十二第一項ただし書及び第二項の規定は、運営委員会の委員について準用する。
3 理事は、理事長が任命する。
4 理事長は、前項の規定により理事を任命したときは、遅滞なく、厚生労働大臣に届け出るとともに、これを公表しなければならない。
令和4年度
健康保険法第7条の14によると、厚生労働大臣又は全国健康保険協会理事長は、それぞれその任命に係る全国健康保険協会の役員が、心身の故障のため職務の遂行に堪えないと認められるとき、又は職務上の義務違反があるときのいずれかに該当するとき、その他役員たるに適しないと認めるときは、その役員を解任することができる。また、全国健康保険協会理事長は、当該規定により全国健康保険協会理事を解任したときは、遅滞なく、厚生労働大臣に届け出るとともに、これを公表しなければならない。
答え「〇」
健康保険法 第七条の十三(役員の欠格条項)
政府又は地方公共団体の職員(非常勤の者を除く。)は、役員となることができない。
健康保険法 第七条の十三(役員の欠格条項)
健康保険法 第七条の十四(役員の解任)
厚生労働大臣又は理事長は、それぞれその任命に係る役員が前条の規定により役員となることができない者に該当するに至ったときは、その役員を解任しなければならない。
2 厚生労働大臣又は理事長は、それぞれその任命に係る役員が次の各号のいずれかに該当するとき、その他役員たるに適しないと認めるときは、その役員を解任することができる。
一 心身の故障のため職務の遂行に堪えないと認められるとき。
二 職務上の義務違反があるとき。
3 理事長は、前項の規定により理事を解任したときは、遅滞なく、厚生労働大臣に届け出るとともに、これを公表しなければならない。
健康保険法 第七条の十四(役員の解任)
令和元年度
全国健康保険協会の理事長、理事及び監事の任期は3年、協会の運営委員会の委員の任期は2年とされている。
答え「〇」
設問の通りです。
ちなみに令和5年10月に理事長および理事の一部が交代します。
なので、再任がなければ次は令和8年に交代する予定です。
健康保険法 第七条の十二(役員の任期)
役員の任期は三年とする。ただし、補欠の役員の任期は、前任者の残任期間とする。
2 役員は、再任されることができる。
健康保険法 第七条の十二(役員の任期)
健康保険法 第七条の十八(運営員会)
事業主(被保険者を使用する適用事業所の事業主をいう。以下この節において同じ。)及び被保険者の意見を反映させ、協会の業務の適正な運営を図るため、協会に運営委員会を置く。
2 運営委員会の委員は、九人以内とし、事業主、被保険者及び協会の業務の適正な運営に必要な学識経験を有する者のうちから、厚生労働大臣が各同数を任命する。
3 前項の委員の任期は、二年とする。
4 第七条の十二第一項ただし書及び第二項の規定は、運営委員会の委員について準用する。
健康保険法 第七条の十八(運営員会)
令和5年度
協会は、役員として、理事長1人、理事6人以内,及び監事2人を置く。役員の任期は3年とする。理事長に事故があるとき、又は、理事長が欠けたときは、理事の互選により選ばれたものがその職務を代理し、又は、その職務を行う。
答え「×」
実際の試験では、前段を見て〇にしていましたが、見直しの際に後段の誤りに気付いて、×に変えました。
やっぱり見直しって大事ですね。
健康保険法 第七条の九(役員)
第七条の九 協会に、役員として、理事長一人、理事六人以内及び監事二人を置く。
健康保険法 第七条の九(役員)
健康保険法 第七条の十(役員の職務)
理事長は、協会を代表し、その業務を執行する。
2 理事長に事故があるとき、又は理事長が欠けたときは、理事のうちから、あらかじめ理事長が指定する者がその職務を代理し、又はその職務を行う。
3 理事は、理事長の定めるところにより、理事長を補佐して、協会の業務を執行することができる。
4 監事は、協会の業務の執行及び財務の状況を監査する。
健康保険法 第七条の十(役員の職務)
終わりに
いかがでしたでしょうか。
健康保険法は範囲が広く、問われる内容もかなり細かいです。
その中でも全国健康保険協会または健康保険組合に関する問題は基本的な事項が多いです。
いざ試験で出された時には確実に得点したいですね。
今後も、このブログでは、社労士試験合格を目指す方に役立つ情報などを発信します。
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