【必見まとめ】厚生年金保険法 財政の均衡を考える

財政の均衡と現況および見通し

厚生年金保険法は、範囲も広く勉強が大変でしたが、実際の生活に関連することもあり、個人的には興味深く勉強させてもらいました。

今回取り上げる法第二条の三(財政の均衡)、第二条の四(財政の現況及び見通しの作成)は基本的な条文ですが、いざ問題として出されると意外と迷うものです。

例えば、期限にまつわる法律上の言い回し「直ちに」、「速やかに」、「遅滞なく」は代表的なものです。

法解釈的には次のとおりとなります。

直ちにすぐに処理しなさい。出なければ罰します。
速やかに「直ちに」ほどは急がないけど、「なるはや」でね。
遅滞なく「なるはや」だけど、理由があれば多少の遅れは勘弁な。
これなら何とか覚えられる?

財政の現況及び見通しは厚生労働省ホームページに遅滞なく公表されています。

作成は五年ごとなので、次の作成は5年後の2024年か?

2019年(令和元年)財政検証結果レポート
mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000093204_00002.html

なかなか読み応えがあって、勉強になりますので、時間をかけて読んでみたいですね。

条文紹介

厚生年金保険法 第二条の三(財政の均衡)

厚生年金保険事業の財政は、長期的にその均衡が保たれたものでなければならず、著しくその均衡を失すると見込まれる場合には、速やかに所要の措置が講ぜられなければならない。 

厚生年金保険法 第二条の四(財政の現況及び見通しの作成)

1 政府は、少なくとも五年ごとに、保険料及び国庫負担の額並びにこの法律による保険給付に要する費用の額その他の厚生年金保険事業の財政に係る収支についてその現況及び財政均衡期間における見通し(以下「財政の現況及び見通し」という。)を作成しなければならない。 
2 前項の財政均衡期間(第三十四条第一項及び第八十四条の六第三項第二号において「財政均衡期間」という。)は、財政の現況及び見通しが作成される年以降おおむね百年間とする。
3 政府は、第一項の規定により財政の現況及び見通しを作成したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。 

過去問にチャレンジ

平成30年度

厚生年金保険法に基づく保険料率は、国民の生活水準、賃金その他の諸事情に著しい変動が生じた場合には、変動後の諸事情に応ずるため、速やかに改定の措置が講ぜられなければならない。

 

答え「×」

改定を行うのは「保険料率」ではなく、「年金たる保険給付の額
ちなみに保険料率は第一号から第三号被保険者までは183/100018.3%)で固定されています。
しかし、第四号被保険者(私立学校教職員共済制度の加入者)は保険料率を引き上げている途中で、令和9年9月に保険料率が同じになるよう調整しています。

令和5年度の保険給付の額の改定は厚生労働省ホームページに掲載されています。
mhlw.go.jp/stf/houdou/0000191631_00017.html

平成30年度

財政の現況及び見通しにおける財政均衡期間は、財政の現況及び見通しが作成される年以降おおむね100年間とされている。

答え「〇」(ドラッグで見えるようになります。)

100年間ってなかなか現実では聞かないですよね。

ちなみに100年の根拠は、既に生まれている世代が概ね年金受給を終えるまでの期間と考え、その期間について、給付と負担の均衡を考える方式であるためです。

現在アメリカはこの方式をとっています。 

年金財政ホームページ (mhlw.go.jp)

終わりに

いかがでしたでしょうか。

ただ覚えるだけでなく、なぜそうなっているのかが分かると意外と頭の中にスッと入ってくるものです。

テキストなどでは意外とスルーされがちのことでもあるので、ぜひ調べてみてください。

今後も、このブログでは、社労士試験合格を目指す方に役立つ情報などを発信します。

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